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冷凍米飯「一粒庵」桜えびと高菜のごはん
電子レンジでチンするだけで、主食となるご飯が簡単に作れる冷凍食品。
 
なかでも冷凍チャーハンは人気が高く、テレビ番組でもニチレイ「本格炒め炒飯®」や味の素冷凍食品「ザ☆®チャーハン」、マルハニチロ「あおり炒めの焼豚炒飯」等の冷凍食品がよく取り上げられています。
 
一般的なスーパーでよく見られる冷凍食品も完成度が高いですが、あまり見かけない冷凍食品の中にも、キラリと光る商品は全国各地に存在します。当コーナー「全国のおいしい冷食インタビュー」では、そんな冷凍食品にスポットを当てていきたいと思います。
 
(インタビュアー:「FAN FUN FROZEN」編集長)
今回は佐賀県唐津市でお米の製造販売をされている「株式会社 唐房米穀(とうぼうべいこく)」の営業部・川原さんにお話をお聞きしました。
 
唐房米穀さんは「ふぐめし」「うなぎおこわ」、リゾット仕立ての「きのこ&トマト玄米ごはん」などのバラエティに富んだ「一粒庵(いちりゅうあん)」という和ごはんをはじめ、様々な冷凍米飯の商品を取り扱っておられます。
精米技術にこだわりが光るお米屋さん
唐房米穀様社屋
唐房米穀さんの社屋(写真提供:唐房米穀様)
──まずは川原様がどういったお仕事をされているのか、御社での役割をお聞かせくださいますでしょうか。
 
私たち唐房米穀グループは、厳選した優良な玄米だけを仕入れ、自社工場で精米し、販売しております。また、炊飯部門では地域の学校給食や一般企業に米飯食を提供している会社となり、私はその営業職をさせていただいております。
 
──御社をはじめとした唐房米穀グループは、どのような事業を展開されていますか?
 
グループは主にお米の製造販売をしている唐房米穀、「酢飯」や「シャリ玉」等の日配品を販売しているケングランド、それら米飯の製造工場であるヨコヤマの3社から成っております。
 
──まさにお米のエキスパート集団ですね。御社では昔ながらの精米方法を応用したという「熟成米」を販売されていますが、これはどのようなお米なのですか?
 
「水車搗き」のお米をご存じでしょうか? その昔、玄米を搗精※1するのに、深めの白臼の中に玄米を入れ、水車の動力で杵を「コットン、コットン」と落とし、米を搗き、じっくり時間をかけて糠をはいでおりました。今だったら機械を使えば数秒で終わってしまうこの作業を、昔は4時間も5時間もかけて行っていました。しかし、実はこの「手間とひま」に、お米を美味しくする秘密が隠れていたのです。玄米は、少しずつ糠がはがれる中で、酵素が活性化し、旨味成分や甘味成分を増やしていくことがわかりました。
 
※1 搗精…玄米をついて白くすること。「とうせい」と読む。
いちどに精米せず、一晩寝かせる精米方法
米と米による摩擦で、ゆっくりと糠をはいでいく(写真提供:唐房米穀様)
「熟成米」はこの「水車搗き」の原理を利用し独自の工程でゆっくりじっくり24時間かけて精米し、米の旨味と甘味を引き出したお米となります。弊社の特許製法によるオリジナル商品です。
 
────なるほど、手間暇をかけることで、お米のポテンシャルを惹き出しているのですね。
お米を一晩寝かせて熟成させるタンク
はがれた糠と米を24時間寝かせるタンク(写真提供:唐房米穀様)
補足:
「熟成米」は「コシヒカリ」や地元の特別栽培米である「夢しずく」など、様々なブランド米を独自の精米方法によって、より美味しく仕上げています。Amazonや楽天等、通販サイトでは取り扱いがあるので、気になる方は「熟成米」で検索してみてください。

彩り豊かな「おかずごはん」

 
──話は変わりますが、私、毎日のランチはほぼ冷凍食品を食べている人間でして。お弁当用の冷食を買ってきたときはご飯だけ別に用意していますが、冷凍食品売場に白米だけ売っているのを見たことがありません。惣菜コーナーに売っている炊かれたご飯は足が早いので、いつも保存の利くパックのご飯をまとめて買い置きしているのですが、白米だけの冷凍食品ってニーズがないんでしょうか。
 
白米だけなら常温保存のできる安いパックごはんを買ってしまう。大手冷凍食品メーカーさんもチャーハンやピラフなど付加価値を付けていますよね。うちも同じで、白米だけでは難しいと考えております。
 
──炒飯は冷凍食品の中でも人気のメニューです。一方で御社は和ご飯に特化しているように見受けられます。その和ご飯の冷凍食品シリーズ「一粒庵(いちりゅうあん)」ですが、ここにも「熟成米」が使われているのですか?
 
一部、玄米ごはんなどありますが、味ごはん※2には使用しております。
 
※2 「熟成米」を使用した商品……「根菜ちらし寿司」「華味鳥のそぼろ寿司」「華味鳥のかしわごはん」「桜えびと高菜のごはん」「ぶり照焼きごはん」「博多和牛ごはん」「博多い津゛み ふぐめし」
「一粒庵」のラインナップ
「一粒庵」ラインナップ
── 「一粒庵」はどんなお客様を想定して作られた商品でしょう?
 
一人暮らしの方ですとか、ご年配の方を想定いたしました。
 
──パッケージが可愛いものが多く、1個当たりの容量もコンパクトなのでそんな感じはしました。成人男性には1食分としては1個だと少し物足りないかもしれませんが、小腹を満たすのには向いていると思います。500Wのレンジで2分~2分半温めるだけで調理できるので、忙しい朝食にも重宝するかも。「もちもちおこわ」シリーズは腹持ちがする印象ですしね。
 
ただ、1パックが125gという重量にしては値段設定が高め※3なので、贈答品などで多く動いていますね。アイテム数が18種あるので、その中から数種類をセレクトしたギフトとして販売されています。
 
※3 参考販売価格:324円~681円( 2019年11月21日現在、日本橋三越本店で販売されている税込金額)
──数種類の詰合せでプレゼントされたら、さぞかし喜ばれるでしょうね。「せいろ蒸し赤飯」等はまさにお祝い用にピッタリです。試食した社員の一人は、忘年会パーティーの持ち寄り品として持っていきたいと言っていましたね。ところで、この「一粒庵」というネーミングはどんなところから来ているのですか?
 
お米一粒ひとつぶの品質を大切にしているからですかね。「一粒堂」という候補もありましたが、語呂の並びの良さで「一粒庵」にしました。
 
──たしかに「庵」の方が料亭や懐石の小料理屋の屋号っぽくて、より商品の内容と合っていると思います。「一粒庵」のこだわりはどんなところにあるのでしょうか。
 
やはり米屋ですから、米にはこだわっていますね。原料米も唐津産の「夢しずく」や、佐賀県産のもち米「ヒヨクモチ」を使っています。
 
──「夢しずく」や「ヒヨクモチ」には、どんな特徴があるのでしょうか。
 
どちらも佐賀県でなじみのある銘柄です。「夢しずく」は程良い粘りと優れた味わい、つやのある光沢が特徴で、「ヒヨクモチ」は粘りが強く、炊いても硬くなりにくく、もちもち感も抜群です。
 
──私も「ヒヨクモチ」が使われている「栗とさつまいものおこわ」をいただきましたが、たしかにもち米に弾力が感じられました! 「夢しずく」を使った「玄米ごはん」も試しましたけど、あのプチプチとした食感といい、噛むたびに口の中で広がる味わいといい、しばらくは思い出すだけで生唾が出ておりました(笑)。とにかくご飯が冷めても美味しい!ご飯をおかずにご飯が食べられるほどに(笑)
冷凍米飯「栗とさつまいものおこわ」
優しい甘みの「栗とさつまいものおこわ」
──話が脱線してしまいましたが、他に商品特長はありますか?
 
冷凍食品としての技術的な特長を言えば、弊社では米飯品をプロトン凍結という急速冷凍によって、0℃からマイナス7℃の最大氷結晶生成帯と呼ばれる温度帯を素早く通過させて凍らせています。そうすると氷の粒が食品の細胞組織を壊すのを抑えられるので、解凍時のドリップが少なくなり、商品の品質が保てるのです。
急速冷凍が可能なプロトン凍結機
急速冷凍が可能なプロトン凍結機(写真提供:唐房米穀様)
──解凍した時にお米がベチャベチャっとならず、 せっかくの「熟成米」の旨味も逃がさない、というわけですね。「一粒庵」はAmazon等のネット通販でも取り扱っていますが、物産展や東京近郊をはじめとした全国の実店舗で買う機会はありますか?
 
日本橋三越本店の地下1階にある、全国の名産品を扱う「味匠庵(みしょうあん)」では、種類は限られますが単品での取扱いがございます。
補足:
「一粒庵」は唐房米穀さんから直接購入できます(お電話での注文となります)。他、AmazonなどのWeb通販でも取扱いがあるようです。「一粒庵」で検索すると札幌のラーメン店が多く出てくるので、「一粒庵 GOHAN」で検索してみてください。
★ごはん GOHAN「一粒庵」のおいしい冷凍ごはん
様々な形で活躍する唐房米穀の冷凍米飯
 
──御社のWebサイトを拝見すると「一粒庵」には英語のページがあり、海外にも販売されているようですが、どんな国の方が買われているのですか?
 
今は香港やシンガポールで販売されています。ちなみにシンガポールでは、日本のコンビニでは100円で売られているおにぎりが200~300円で売られているんですよ。
 
──農林水産省の資料によれば、日本で作られたお米および米飯類の主要な輸出先のTOP2が、香港・シンガポールだということですが、そのおにぎりも日本から輸入されたお米で作られているのでしょうか?
 
当社は、海外へのお米の販売実績はありませんが、私が直接シンガポールに試食販売に行った際に見かけたのは、日本産のお米を使っているおにぎりでした。
 
──米どころニッポンのお米は、世界でも人気がありそうです! 御社グループでは「一粒庵」以外でも冷凍米飯を展開されていますね。例えば、イトーヨーカドーのプライベートブランド「EASE UP(イーズアップ)」の助六寿司やいなり寿司を製造しているのはグループ会社のヨコヤマさんですね。助六寿司は実際に買ってみました。
 
どうでしたか?
 
──てっきり自然解凍するのかと思っていたら、パッケージを見ると調理方法が電子レンジ専用と書いてあったので、レンジアップしたんですけど、私の温め方が良くなかったのか、ほんのり暖かい助六寿司に仕上がってしまいました(笑)
 
それでいいんです! 助六をいつでも好きな時に、レンジで簡単に温め食べられるという、目新しさがウリですから(笑)
 
──たしかに、弊社の人間から「面白い冷凍食品が売ってたよ」と奨められたのが手に取ったきっかけなんです。それがたまたま御社グループの手がけたものだったと。何やら運命を感じます(笑)
 
「助六寿司」は一粒庵のブランドとしても出していますよ。「いなり寿司」「わさびいなり寿司」という商品も取り扱いがございます。
「一粒庵」シリーズの「わさびいなり寿司」
刻んだ茎わさびが入った「わさびいなり寿司」
──そう言えば、冷凍のうな重も取り扱っているとお聞きしたのですが、どんなところで売られているのですか?
 
こちらも御中元・御歳暮といった時期にギフトで展開しております。
 
──御社の冷凍食品は他にどんなところで活躍されていますか?
 
冷凍おにぎりは業務用──例えばホテルなどの施設で、スチームコンベクションオーブン※4で利用客様に供されています。
 
※4 スチームコンベクションオーブン……温風と水蒸気によって、1台で「焼く」「蒸す」「煮る」「炊く」「炒める」の調理が可能な厨房機器。
──最後に、今後、冷凍食品の分野で展開予定、あるいは挑戦してみたいメニューがありましたら教えてください。
 
肉巻きキンパですとか、レンジアップできるカルビ丼などを考えております。
 
──どちらも想像するだけで美味しそうです! あくまでも、お米が主役の冷凍食品を展開されていくということですね。
 
やはりお米屋ですから、お米の美味しさを伝えていきたいと思っています。
おかわり!「一粒庵」の魅力をもっと伝えたい
 
唐房米穀さんへのインタビューはこれで終了ですが、せっかくなので実食してみた「一粒庵」のうち、前述した「栗とさつまいものおこわ」「玄米ごはん」の他にもいくつか味わった和ごはんがあるので、ここに感想と感動を記しておきたいと思います。
 
この記事のメインの写真として使われているのが「桜えびと高菜のごはん」ですが、香ばしいエビがボリューム良くご飯の上に載っていて、見た目にも美しい一品でした。「根菜ちらし寿司」は華やかな印象ですね。酢飯と根菜の味付けが私好みでした(笑)。
冷凍米飯「一粒庵」根菜ちらし寿司
女性に好まれそうな「根菜ちらし寿司」
鹿児島県の霧島山系の湧水で育てられた鰻を使った「うなぎおこわ」は、「一粒庵」の中でも最高級ラインだけあって、試食した社員はみんな絶賛していました。ごぼうのシャキシャキとした歯触りがまた小気味良い。
冷凍米飯「一粒庵」うなぎおこわ
スタッフ一番人気の「うなぎおこわ」
個人的に一番インパクトが大きかったのが「ふぐめし」です。大正十二年創業の老舗料亭「博多い津゙み」が監修している炊き込みごはんで、同店のふぐ出汁で炊き込んた一品ですが、コロコロとした国産ふぐの身が、フグがプクウッと膨らんだ感じに似ていて、とても愛らしい(笑)
名店の味が再現された「ふぐめし」
さらに鹿児島県産の黒米を使った「黒豆と黒米のおこわ」や、具に福岡県産のブランド牛を採用した「博多和牛ごはん」、福岡や佐賀が養鶏地の「華味鶏」を使った「華味鶏そぼろ寿司」など、九州地方の農畜産物や海鮮などの食材を多く取り入れているようです。
 
佐賀から新鮮なまま届けられるご飯の味に、ぜひとも舌鼓を打ってみてください!
言葉だけではこのおいしさが伝わりづらいかもしれないので、近日「一粒庵」の実食レポート動画を公開する予定です。お楽しみに!
実食レビュー動画、ただいま絶賛編集中!
実食レビュー動画、ただいま絶賛編集中!
インタビューを終えて
 
唐房米穀さんは美味しいお米を食べてもらうための努力を厭わず、美味しいお米の研ぎ方・炊き方を啓蒙する等、とにかくお米を愛している企業だと感じました。それに比べれば私の冷食愛などまだまだだな、と痛感させられます。
 
一味も二味も違うこだわりが詰まった「一粒庵」をはじめとした、唐房米穀さんの冷凍米飯を全国民に食べてもらいたいという願いを込めて、今回の特集を終わらせていただきます。
 
 
唐房米穀さんのWebサイト: https://www.toubou.jp/

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